デザイン思考を身近に感じるための例

デザイン思考を身近に感じるための例

2018年10月3日

まほろば@mahoroba148です。

みなさんは「デザイン思考」という言葉をご存知ですか?

デザインってついているからデザイナー向けの考え方でしょ

デザイン思考なんてきっと私には関係のないことだわ

あまり馴染みのない方はこんな風に思っているのではないでしょうか?

それは非常にもったいないことです!!

とくに、自分の商品やサービスを提供する立場の方はぜひこのデザイン思考を取り入れていただくことをオススメいたします。

実は私も自分の考えに近い程度にしか思っていませんでした。

ちょうどデザイン思考のセミナーを受講する機会があって、講義・ワークショップを受けたところサービスを考える上でのモヤモヤがスッキリしたんですよね。

この感動を伝えるべく、実際に体験したデザイン思考の考え方と訓練方法をご紹介いたします。

※セミナーすべてを共有するのは難しいため一部改変・抜粋してご紹介いたします

デザイン思考とは?

デザイン思考と調べると一番最初に出てくるのはウィキペディアだったので、言葉の意味を見てみましょう。

デザイン思考(でざいんしこう、Design thinking)とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である[1]

<引用>『デザイン思考』ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典
2017年10月3日 (火) 02:05 UTC
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/デザイン思考

デザイナーがデザインを行う過程で…って言ってるじゃん!

まほろば

気持ちはわかります!でも、もう少しだけ待ってください。

それではデザインを行う過程について考えてみましょう。

たとえばサプリメントのチラシをデザインすることになったとします。

まず、なぜチラシを作るのでしょうか?

  • サプリメントをもっと売りたい
  • 知名度を上げたい
  • イメージアップをしたい など

目的はさまざまです。

そして、買ってもらいたい相手(ターゲット)によって、訴求するポイントも変わってきます。

もし仕事が忙しくて食事の栄養バランスを気にする暇がないという方であれば、栄養をとるためにサプリメントを買うのかもしれません。

もし筋トレが大好きでもっとムキムキになりたいという方であれば、筋肉を育てるためのサプリメントを買うのかもしれません。

このようにデザインは問題解決するための手順と捉えることができます。

もっと簡単に!デザイン思考の考え方

みなさんがよく口にするデザインは色を塗る、絵を描くというような装飾的な意味でのデザインではありませんか?

デザイン思考においてのデザインは設計です。

そしてデザイン思考とは下記の3つから成り立ちます。

  1. ユーザーすら気づかない欲求を発見する
  2. 1の欲求からアイデアを発想する
  3. アイデアを具体的にして試作を繰り返す

1.ユーザーすら気づかない欲求を発見する

商品を買うユーザーは何かを解決したくてその商品を選んでいます。

先ほどのサプリメントの場合は忙しいときでも栄養バランスを整えたいという欲求があります。これは本人も自覚している欲求です。

このように目に見える欲求のことを顕在ニーズといいます。

そして、顕在ニーズを掘り下げていくと、ユーザーすら気づかない欲求に辿り着くことができます。

サプリメントは忙しいときでも栄養バランスを整えたい顕在ニーズがありました。

もしかしたら、

栄養バランスを整えたい

健康的でいたい

『家族と一緒にいる時間を増やしたい』という欲求もあるかもしれません。

このようにユーザーすら気づかない欲求、潜在ニーズを見つけることが第一の段階です。

2.1の欲求からアイデアを発想する

第二段階では潜在ニーズを叶えるためのアイデアを発想します。

アイデアは出来るだけたくさん出していきます。

アイデアを最初からボツにする必要はありません。

まずは細部を考えずに軽い気持ちで、アイデア出しをしていきましょう。

アイデア出しでオススメなのは四角いポストイットの活用です。貼ったり剥がしたりできるので、あとで情報整理しやすくなります。

1で考えたサプリメントならば

  • 家族みんなが飲めるサプリメント(年齢指定がない)
  • 眠くならないサプリメント

というように書き出していきます。

アイデア出しが終わったら、アイデアの絞り込みをしていきます。

絞り込む際には実際にユーザーの感想をもらえると良いでしょう。

直接聞くのが難しい場合には、メンバーや家族など自分以外の人から意見をもらうようにしましょう。

3.アイデアを具体的にして試作を繰り返す

第三段階では試作を行います。

試作品も最初から完璧なものを求めず、徐々に改良をしていきます。

改良の際にもユーザーの声を聞くようにしましょう。

サプリメントならば試供品を配ったり、治験を行ったりします。(もちろん、体に害がないことが保障できないと実行は難しいでしょう汗)

Webサービス、アプリ開発のようなIT系の業種であれば、クラウドソーシングサービスなどで募集することもできます。

***

このように、デザイン思考は3つから成り立ちます。

  1. ユーザーすら気づかない欲求を発見する
  2. 1の欲求からアイデアを発想する
  3. アイデアを具体的にして試作を繰り返す

どの製品、サービスにもデザイン思考を取り入れることができますよ!

【ワークショップ体験】定期入れを開発してみた

ここからは実際に私が体験したワークショップの内容をご紹介いたします。

<テーマ>定期入れを開発しよう

あなたは定期入れメーカーの企画・開発部門の社員です。新しく定期入れを作ることになりました。

お隣の方にぴったりな定期入れを開発しましょう。(お時間がある方は考えてみてください)

<復習>デザイン思考の考え方

  1. ユーザーすら気づかない欲求を発見する
  2. 1の欲求からアイデアを発想する
  3. アイデアを具体的にして試作を繰り返す

***

ひとつひとつをさらに細かくわけていき、仮定、アイデア出し、評価、改良をしていきます。ひとつの工程の中でもPDCAを回していきます。

各工程4~7分程度に区切って行っていきました。思っているよりも時間があっという間に流れていきますよ。

私が考えたのはスマートフォンケース(以下スマホケース)でした。手帳タイプのスマホケースであれば定期入れを別で持つ必要がありません。

ただ、カード類を入れていると擦り切れたり汚れたりするため、すぐに買い換えることになるという意見がありました。

そこで、着せ替えできたらよいのではないかと「着せ替えスマホケース」を考えました。

※試作前の設計の段階です

スマホケースアイデア

上記の設計図から試作品(プロトタイプ)をつくります。

最初は家にあるものや100円均一に売っているようなもので作ればいいとのことで作った試作品がこちら↓

試作品_分離状態 試作品_スライド 試作品_接続

ゴミにしか見えない…(笑)

15分間で悩みに悩んでつくった試作品です。

伝えたかったのは着せ替え方のところで、プレゼンテーション相手にはイラストと実物を見せながら説明しました。

スマホケース見本

自分でいうのもなんですが、着せ替えスマホケースほしいです。アイデアを採用したいというメーカーさん大募集してます(笑)

試作品はともあれ、6時間(講義を除くと3~4時間)のセミナーの中で「定期入れ」の新しい商品開発を行うことができました。

みなさんはどんな定期入れを思いつきましたか?

アイデア出しの訓練

デザイン思考の中でアイデアが出てこないという方は、アイデア出しの練習をしてみましょう。

ひとつテーマを決めて、1分間アイデア出しをします。

ルールは2つ。

  1. 非現実的でもOK
  2. アイデアは絵で描く(自分がわかれば良し)

描くものはポストイットでも画用紙でもなんでもOKです。絵日記みたいに1分間アイデア出しノートをつくるとおもしろいかもしれないですね。

セミナーでは「人混みを抜ける新しい交通手段」を考えました。

簡単そうに見えてやってみるとなかなか出てこないもんです。ちなみに私は9個でした。

みなさんもぜひ同じテーマでお試しください。

【まとめ】デザイン思考は誰でもできる

デザイン思考は設計です。デザイナーだけの考え方ではなく、経営者や商品開発者などにも適した考え方です。

<デザイン思考の考え方>

  1. ユーザーすら気づかない欲求を発見する
  2. 1の欲求からアイデアを発想する
  3. アイデアを具体的にして試作を繰り返す

そして、忘れてはいけないのはユーザーのためにあるということです。

商品やサービスを最終的に判断するのはユーザーです。自分よがりな商品・サービスにならないようにするためにも、デザイン思考を取り入れてみてはいかがでしょうか?